太宰治の魚服記という短編を読んだ。

これはまさにつげ義春の「紅い花」の世界。

ストーリーは違うが、山小屋で少女が一人で店番をしていて、通る人に親に習ったままの呼び声をかけるようなシチュエーション。

魚服記では少女は「休んでいきせえ」というが、紅い花の少女は「寄っていきなせえ」というセリフがある。

大人になりかけの少女のエロティシズム。

つげ義春はこれに影響を受けて「紅い花」を描いたに違いない。

あと、こんな小説は初めて読んだ。少女の夢なのか妄想なのか現実なのか境がわからない表現が小説でできるとは知らなかった。

もっと若い頃に読んでおくべきだったかもしれない。

ちなみにこれも子供向けの文学全集に載っているんだけど、これを子供が読んで何か感じるかな。むしろ理解する子供がいたら怖い。