最近Yahooなんかでライターの趣味なのかフォトリアルなCG動画を紹介して
「いまや3DCGは写真と区別がつかないレベルまで来た」かのように書いてたりしますが
実は、CGと言うのはかなり大昔からフォトリアルなんですけどね。
大昔から(たぶんTORONとかの時代でさえ)、その時代の人の目には写真と区別がつかないほどリアルだったんですよね。
人間の目が肥えていってるというか、それらに共通するCGぽさに見慣れてるかどうかってだけなんですね。
現に、Yahooのような一般向けの記事が紹介してるフォトリアルなCGは、CGに見慣れてる私らからすれば
「精密で綺麗ではあるが、それは明らかに『CG』だろ」なのが結構ありますよね。
いや、そういうことは私は過去にも何度か書いてますが、
写真と区別がつかないってのはCGにとっては当たり前って言うか、そう価値のあることじゃないと思うんですよね。
もちろん映画などで実写に合成するのには、より写真に近づくという進化も必要でしょうが
人間の目はリアルに対してそれほど正確じゃないってことです。
CGがもともと写真以下の存在で、CGプログラマやCGデザイナーがみんな写真を目指してるってんなら話は別ですが、
写真だけがリアルではないし、リアルだけがCGでもない。
リアルかどうかの話をするなら、現実に対してどうかと言う話をしないといけないと思うんですよね。
まあそうするとやはり写真のほうが勝ってるでしょうが、どうも、そういう話をするときは
「現実=写真>CG」が前提みたいな言い方をされてるのが腑に落ちない。
写真だってCGと同じく現実(リアルに)に近づこうと進化してきて、今後も進化していくわけで
決して現実とイコールではないし、また、写真がCGが目指す到達点ではないですよね。
要するに写真とCGと言うのは、互いに違うアプローチでリアル(現実)に近づこうとするものであって
比べるなら、どっちがより現実に近いかという比べ方をするべきじゃないかと思いますね。
もう少し細かく言うと、アプローチが違うんだからCGが現実に近づくのには
別に写真に追いついたり追い越したりする必要は無いかもしれないってことです。
いや、そんなこと書いても、そういうニュアンスの違いさえ一般の人にはわからないかもしれませんが。