絵やCGがリアルかどうかというのは

人間の目や脳は「CGぽくない」「絵ぽくない」という
消去法で判別してる部分が多いと思うんですよね。
前にもちょっと書きましたがCGでは新しい技術、たとえばラジオシティとかIBLとか
使われ始めた頃は、何の工夫も無くただ使ってるだけですごくリアルに感じた。
Maxwellが出たときも、それまでのパストレやフォトンマップのレンダラーではできないような表現がされていて
素人が作った単純なシーンでも、すごくリアルに感じましたが、今ではそれも見慣れてしまって
ただMaxwellを使えば、だれでもすぐリアルなのが作れるとは誰も思ってないでしょう。
人間の目は色の付いたサングラスをしてても、すぐ慣れてサングラスの色は気にならなくなりますし
又は、ノイズのある映像を見ててもすぐノイズは気にならなくなりますね。
脳内フィルタで必要な情報だけをを見ることができる。
絵やCGを見るときも「絵ぽさ」「CGぽさ」を脳内フィルタで除去して見てる部分があって
「本物みたいにリアルですね!」と言ってもフィルタで「CGぽさ」を無視したことをどこかで知覚してて
新しい技術を使った、今まで「CGぽさ」だと思ってたものが無いCGを見たときに
「あれ、これほんとにCGですか?すごくリアルですね!」と思うんじゃないかと。
それを思うと、CGフィルタが未熟な初心者の機能の要望がSSSだとかディスプレイスメントマップとかに
集中するのはしょうがないかもしれない。
SSSもディスプレイスメントマップも見慣れてる人には、その中に既に「CGぽさ」が見えてしまってるので
イタチゴッコなんですけどね。
まあそうやって新しい技術を追うこともCGの進化に貢献してるだろうし、
私がCGを面白いと感じる部分でもありますが。
リアルな表現にもいろいろありますが、その程度のリアルは一時期だけのものなので、
ある意味「流行り物」の服を着て喜んでるのと大差ないです。
その技術の「流行り物」としてではない本来の価値を理解して、
どうやって今までの技術や、更に新しい技術に自然に取り入れるか、が
「流行り物」の服が今後のスタンダードになる得るかどうかですね、


ちょっと違った観点から言うと「流行り物」として価値しかわからない人が多いなら
流行ってるうちにさっさと搭載するべきですね。
なぜなら流行が去ってしまっても、まだ「流行り物」としての価値を求めて要望する人がいるので。
そういう人は本当の価値に気づかないので、それを手に入れれば次の「流行り物」を要望するだけです。
それはソフトを作ってる側にとっても、ハタから見てる物にとってもすごく不毛なものだと思うので
それなら先に済ませておいた方がいいと思いますね。