永島慎二の「斑鳩鉄平」という作品に出てくる女性はつげ義春の「沼」に出てくる少女とそっくりだ

検索したら出てくるから私が書くまでもなかったか

つげが永島をまねたんだそうだが、表情やポーズまでそのまんまだ

つげと永島は若いころから親交があったそうでライバル心もあったそうだ

ただミステリアスな少女の魅力と不思議な雰囲気を残すつげの「沼」にくらべて

永島の「斑鳩鉄平」はあまり面白くはない。むりやり白土三平を意識したような時代劇ものだ。

永島慎二は1961年ごろの「漫画残酷物語」が有名で評価が高いが、自分は1968年ごろの絵が好きだ。

作品でいうと「風っこ」とか「小さな世界」の絵は完璧。

それ以前は手塚治虫的なギャグ表現が鼻につくが、このころから1コマ1コマがイラストレーションのような洗練された絵になっていく。

膨大な数の凝ったストーリーで重いテーマのものを描いているが、読むのにちょっと疲れる。

時代がもう少し後なら、つげ義春のように絵や雰囲気だけを見せるような手法もできたろうにもったいない感じがする。