カムイ伝の前半の作画は小島剛夕なのは有名ですが、小島剛夕は白土三平よりも年上で
カムイ伝のころには貸本漫画での地位もあったようなので、カムイ伝は白土に頼まれて白土に合わせた絵をかいていたのだと思っていた。
最近、片目柳生を言うのを読んでみましたが、この絵は完全に初期のカムイ伝の絵だ。
私が好きなカムイ伝10巻くらいまでの絵かな。
原作者が描かれてないんだけど、ストーリーも小島剛夕が作っていたのだろうか。
この時代の他の作品もいくつか読んだけど、絵はどれもいいが、たいてい原作者付きで話がどれもつまらない。
この片目柳生だけが絵もストーリーも優れてる。
カムイ伝にあるような剣術の流派の細かい解説、奥義の秘密を守るためには無関係な人間まで殺してしまう剣の世界の厳しさも書かれている
テンポがよく読みやすい、奥行きのあるダイナミックな構図、アクションシーンのスピード感もカムイ伝と同じ。
気になった時代劇なのに「トイレ」というカタカナが出てくるシーンがあり、これもカムイ伝と同じだ。
やはり初期のカムイ伝というのは作画だけではなく、ストーリーや作品全般に小島剛夕が大きくかかわっていたのではないだろうか。
片目柳生は「諏訪栄」という変名で書かれている。これは剛夕が別の出版社との専属の契約があったからだそうで、あとがきには「絵もアシスタントに似せている」と書かれているが、
深読みすると、ほんとに小島剛夕が書いてるのかなという疑問もわいてくる。
気になってカムイ伝を見直してみましたが、やはり10巻の最後あたりに急に絵が汚くなる。
10巻あたりは私の好きなエピソードが多く、絵もかっこいいですね。
特にこの堂面六佐のかっこよさ。
静かで緊張した空気を感じさせるセリフとコマ割り。
その後の派手なアクションに移るスピード感と迫力。素晴らしいです。
すべてのアクション漫画のお手本にしてほしいくらいです。
この後、橘一馬とカサグレのエピソードも、少し絵が違うような気もするが
かっこいい。