大家さんとの思い出
大家さんがなくなってほぼ一か月たつが、大家さんが使ってたものが誰も片付ける様子がなくほとんど放置されたままだ。
大家さんはよくここで植物を植えていた。左端にチョロっと見えてるのが私のバイクのマフラー。
「この赤や青のはなんですか?」と聞いたことがある。孫が遊んでいたブロックを作業の台にしてるのだそうだ。
案外それが自分との最後の会話だったのかもしれない。
白いプランターは昔私があげたものだ。
車の後部座席の足元にちょうど入るので荷物置きのつもりで買ったが、あまり使い勝手がよくなかったので、よかったら使ってくださいといってあげた。
長年隅に立てかけたままで使われることはなく、去年この場所に出してあったのでやっと使ってくれるのかと思ってたら、結局使われることはなかった。
亡くなって1か月近くたつのに誰も片付ける様子がない。
私はこのアパートに引っ越してきてちょうど10年だが、はっきり言って大家さんが家族と話したり一緒いるのを1度も見たことがない。
先日の息子さんと一緒に買い物をしてるのを10年の間ほんの2,3度見たことがあるくらいだ。
一緒にいるどころか、家族を見かけることすらほとんどない。
皆同じ敷地内に住んでるはずなのに別棟やアパートの部屋に別々に暮らしてるっぽい。
いろいろ事情があるのだろうと思って聞かずにいた。
今日アパートの前に見慣れない車が2台止まっていて、親戚が集まってるのかと思ったら
大家さんの仕事のお客さんだった、店がずっと「しばらく休みます」の張り紙のままいつ開くのかわからず困ってるということだったので
ここの主人は亡くなったと教えてあげた。