インターネットやセキュリティやPCの廃棄の話をすると必ず
「個人情報が抜かれてしまう」という話にする人がいる
「怪しいショッピングサイトで買物をすると個人情報が抜かれてしまう」
「そんな懸賞に応募するのは相手に個人情報を与えているだけだ」
など。
彼らは一体何におびえているのだろうか。
本当にそんなセコセコと個人情報を集めて売買するような業者がネット上にいるのだろうか?
一種の都市伝説か、何かにおびえる人の心が生み出した幽霊や妖怪みたいなものではなかろうか。
買い物をすれば住所氏名が知られてしまうが、ランダムな個人の住所氏名など電話帳にいくらでも載っているだろう。
君らの住所氏名電話番号などに何の価値もないのだと言ってやりたい。
ではなぜ、巷では「企業の顧客の個人情報が漏出」と言ってニュースで話題になるのだろうか?
それは企業というのは顧客の個人情報を守らないといけない義務があって、それを怠ったからニュースになっているのである。
企業が個人情報を守らないといけないのは主に顧客のプライバシーを守るためだろう。
たとえばどんな病院にかかっていたとか、何を買っていたかなど人に知られて嫌なことはたくさんある。
有名人や金持ちならそれを利用して悪用する輩も出てくるだろう。だから個人情報は守らないといけないのであって
自分の情報が漏らされたからと言ってそれが何かに悪用されるという意味ではない。
そういうのを悪用する業者が本当にいるのかもしれないが、そもそも個人の住所氏名は電話帳でただで見れるものであって
わざわざ手間をかけてランダムな個人の住所氏名を欲しがる業者はいないだろう。


先日までamazonの詐欺出品者が大量に発生する事件があったが
私はテレビは見ないのでどんなふうにニュースになってたか知らないが
ワイドショーなどでは、こういう詐欺業者は個人情報を集めるためにやっているのだと言っていたそうだ。
テレビのコメンテーターのデタラメさに呆れてしまう。
あの騒動は「1234」などの試験的に作ったような単純なパスワードにしてた出品者のアカウントが
一斉に乗っ取られたために起きた、いわゆる愉快犯である。
現在は二重パスワードが強制になったので同様の詐欺はほぼいなくなっている。


「HDDを捨てるときはデータを完全消去して物理的に破壊しないとデータを復旧されて個人情報が抜かれてしまう」
というセリフも、多少PCの知識のある人の掲示板などで馬鹿の一つ覚えのようによく聞くが
いったいだれが何のために、捨ててあるHDDを持って帰って、修理してデータを復旧させるというのだろうか。
企業とか金持ちが使っていたPCと分かっているなら、苦労してでも何らかの情報が得られる可能性もあるだろう。
捨ててあるHDDは有用な情報が入っているのか、データ用に使われているのか、動くのかどうかもわからない。
PCの知識のあるひとが消去ソフトを使ってるかもわからない。
そんなものを持って帰って修理などする奴がいるわけがないのだ。
不安ならフリーの消去ソフトでも使って叩き壊しとけば十分だろう。
「叩き壊す」というのはビジュアル的に「壊してあるから持って帰っても無駄ですよ」とアピールする効果がある。
中には「HDDの磁気ディスクを物理的に破壊しても破片を集めて復旧できる技術があるので安心できない」
などと知ったかぶって言い出す人までいるのだが、いや、だから、いったい誰がそんなことをするのか???
犯人はなぜ、それだけの技術と時間をかけて取り出すほど価値のあるデータがそのHDDに入ってると思うのか???
個人情報を悪用される亡霊に取りつかれてるとしか思えない。