井上靖の「しろばんば」を読んだ

本編と続編が一冊になっている結構分厚いやつ

若い頃にも読んだことがあるが、そのころは思わなかったがとても面白かった

よくこういう作品が子供向けに推奨されていることがあるが、はっきり言って子供が読んで面白さがわかるものではないと思う。

もっとも、元は「主婦の友」という雑誌に連載されていたそうだから、大人向けなのだろう。

若い頃に読んだが内容はほとんど覚えていないことから、そのころは自分にとって印象に残るものでは無かったのだろう。

小学生か中学生のころ国語の教科書に、鳥の罠のエピソードの部分が載っていって、それは覚えている。

こういう子供のころだれにでもありそうな出来事が次々と起こり、いろんな登場人物とのかかわりや、その時の自分の思いが描かれ成長していく様子が表現されているのは本当にすごい。

例えるならアニメのアルプスの少女ハイジ赤毛のアンのようだ。

名作文学を名作文学をもとにしたアニメに例えるのもおかしいが、それほど退屈させない。

高畑・宮崎アニメのように隅から隅まで作者の思想が行き届き洗練されている感じがする。