白土三平の風の石丸という作品を読んだ

1960年の作品だそうで、あまり初期の作品に興味はなかったんだけど

読んでみると複数のキャラクターがそれぞれ対立してバトルロイヤル状態で戦うのがすごく斬新でスピード感がある

何度か書いてるように白土作品は作画だけでなくストーリーも複数のスタッフがいて

けっこうつまらないものも多いんだけど、これは忍者武芸帖やカムイ伝に続く正統な白土作品という感じがする

ところどころに出てくる植物や自然現象の知識やそれを生かした忍術などいかにも白土作品という感じ。

1960年と言えば、忍者武芸帖は1959年から1962年だからその途中で描かれたことになる。

忍者武芸帖の中盤で、あまり本編とは関係のない影一族の話になって、長々と影一族の紹介をした割りにその後大した活躍もしないというちょっと退屈で不自然な展開があるが

その時期に白土が忍者武芸帖を離れて石丸の方をやっていたからというのは考えすぎだろうか。