ブラザーのMFC-5890Cという複合機を中古で500円で買った

印刷ができないからジャンクということだが、ドキュメントスキャナーとして使えればラッキーと思って買ったが、当たりだった。

スキャナードライバがWindows10に対応してるのかどうか心配だったが、自炊用のスキャナーとしてだけ使うのであればPCを介さずSDカード等に保存できるのであまり心配しなくていいのだった。

そもそも本体が大きく重いのでPCの近くに置いておく気にならない。

そんなに自炊したい本があるわけでもないし、田舎の家に置いておこうかな。

自炊の練習にちょうど白土三平の「忍法秘話3シジマ」の文庫本の綴じが外れてバラバラになったのがあるのでスキャンしてみた。

文庫本サイズには対応していないようでガードが合わないせいか、下部が少しゆがむ。

まあ読めればいいけど。

 

この忍法秘話の「大咬」というのはとても好きな作品。以前書いた「目無し」と甲乙つけがたい。

絵が素晴らしく、四貫目がかっこいい。

あとストーリーとセリフ回しの巧みさ。

「おぬし、伊賀の生まれじゃな?」

「え?どうしてわかるの」

「フフフ、伊賀生まれは伊賀面といって一目でわかる」

本当に伊賀面というのがあるのかしらないがおそらく創作だろう

そうやって世界のリアリティを高めているわけ。

「おぬしの父、なんという名じゃ」

「なにっ、藤太か」

「柘植の藤太か」

柘植の藤太はこの作品に出てこないが、四貫目らが柘植の藤太をもともと知ってるかのようなセリフによって、その世界に作品には書かれていない歴史や広さがあることを読者に感じさせる。

 

また、これはだれの絵なのだろうか。構図や建物や風景の描写が素晴らしい。

初期の「シートン動物記 灰色熊の伝記」などもこういう上手い絵で、この絵こそが初期から白土作品の作画を担当していた弟の岡本鉄二の絵であるとも考えられるが、

では岡本鉄二の名前で書いていたカムイ伝後期や神話シリーズのあの汚い絵は何なのだろう。