思えば宮崎駿はテレビアニメを作っていた時代からの声優をずっと起用し続けていて

ラピュタのタイガーモス機関士のヒゲモジャのオッサンは槐柳二で、これは赤毛のアンのマシューの人ですね

カリ城の庭師のお爺さんは宮内幸平で、外見から気づいた人も多いと思いますがアルプスの少女ハイジのアルムのおんじ

名探偵ホームズのホームズの広川太一郎は、ムーミンのノンノンのお兄さん

トトロの大トトの声は高木均ムーミンパパ

自分が思いつく付くだけでこんなにある

ナウシカカリ城クラリス役の島本須美は、赤毛のアンのアン役のオーディションで宮崎が押していたんだとか

二期ルパンの「さらば愛しきルパンよ」の小山田真希にも起用していることから余程のお気に入りだったのだろうか

アンが山田栄子でなく島本須美だったらどうなっていただろう

 

そういえば未来少年コナンモンスリーアルプスの少女ハイジのクララ役の吉田理保子はと思って調べてみたが、

意外にもそれ以降の宮崎アニメに重要な役では出ていない

yahoo知恵袋で見かけた質問

マニアでなければ知らないのは当然ですが、ここではカムイ伝の作画が小島剛夕になって中盤から劇画調に替わったかのように言われていますが、そうではないです。

カムイ伝の作画は初めから小島剛夕でした。要するにその時代の小島剛夕は劇画調では無かったのです。

小島剛夕子連れ狼のような荒々しくも流麗な劇画調になっていくのはカムイ伝を離れてから

この人達も「汚い」と言っている、カムイ伝途中からのうまいとは言えない劇画調の絵はおそらく岡本鉄二なんですが、岡本鉄二は初期の作品ではとてもうまい人なので

なんでああなったのかよくわからないですね

そしてこの時代からカムイ伝だけではなく白土作品はみなこのよう汚い絵になり、

ストーリーも内容の浅い変態エログロ漫画一辺倒になっていきます。

カムイ外伝もまるで素人が小池一夫を真似たかのような浅い人情時代劇のようなのが延々と続くので読んでて悲しくなりましたね。

サスケのメインの作画スタッフのだった小山春夫のインタビューによると白土三平カムイ伝の途中から精神を病んで、職場に来なくなってしまったそうです。

それが小島剛夕や小山春夫の様な有能なスタッフが離れてしまった要因でしょう。

白土三平カムイ伝以前からストーリーも絵もいろんな作風の作品があることから、かなり早い時期から複数のスタッフに作品を書かせてたと思いますが、

この時代から何もかもが汚い絵と浅いストーリーとエログロ一辺倒になっていくことから

岡本鉄二を中心にした、初期の白土三平とは全く別の体制になったとみるべきでしょう。

個人的に、ネットでカムイ伝を検索すると後期の絵ばかり出てくるので

こんな絵の作品だと思って毛嫌いする人が多いだろうというのが残念です

カムイ伝の絵を最初から見直すと、前半から中盤までカムイ、正助、竜之進とも美形である。

これは白土三平の特徴でもあり、永井豪車田正美につながる、少年漫画の戦うヒーローが細身で女性のように美しい顔をしているというのは、ひょっとして白土が始めたのではないだろうか?

先日読んだ風の石丸や、忍者武芸帳の主人公の一人である重太郎も長髪でまつげが長く女顔である。

カムイ伝では三人の主人公がそれぞれ違うタイプの美形であるというのも他の作家にはない特徴だろう。

並のマンガ家だったら1人は正義感の強い熱血漢、2人目はキザで秀才型、3人目は人が良くて力持ち、みたいにしてしまうだろう

この主人公がまつげの長い美形であるというのも白土作品の重要な魅力の一つだろう

矢口高雄釣りキチ三平荒木飛呂彦魔少年ビーティーがその影響を受けている

 

ところがこのまつげが長いカムイは10巻くらいまである。

今単行本で調べたところ、カムイが搦の手風にとらえられ、海で十字架にはりつけにされるシーン、幼少時代からまつげの長かったカムイはここが最後。

次にカムイが出てくるのはカムイと手風の蔵六の謎をめぐる戦いのシーンだが、この時のカムイはそれまでと違い、熱血少年漫画風とでもいうか男前な顔になる。

おそらくこの辺りから作画が小島剛夕ではなくなったのだろうが、このカムイが出てくるのはほんの少しの間だけ

その後は何度も書いてる私の好きな、一角と堂面六左、右近とアテナ、数馬とカサグレらのエピソードに入るが、この辺りは私が好きな絵なので断言するが小島剛夕の絵で間違いないと思う

いったん小島剛夕の絵に戻るのは、これはカムイ伝が複数の体制でエピソードごとに別々に書かれていたことを意味すると思う。

 

カサグレが殺され、数馬と玄蕃のエピソードが終わると、竜之進の木の間党の話に入るが、さあここからがカムイ伝最大の不幸であり、最大の問題である。

もう誰が誰だかわからないほど絵が変わり、どう見てもうまいとは言えないひどい絵になる。

主人公も3人とも不細工に。

この絵が後半は多少慣れた感じにはなるが最終回まで続くのが残念なところ。

この終盤の絵が岡本鉄二なのか誰なのかわからないが好きなシーンもないことはない。

この人はアクションシーンを描くのがとてもうまく、手風と玄蕃が戦うシーンのスピード感は見事しか言いようがない。

手や足による攻撃や体のぶつかり合いを多くのコマを使って具体的に描く技術はすごい。

それまであれほど強かった玄蕃を手玉に取るほど、手風の圧倒的な強さの演出もいい

外伝の2部を描いているのも同じ人なのであれば、棒庵とウツセが出会い戦うシーンや

棒庵の速さに島出雲が「み、見えぬ…」といって驚くシーンの描写も見事だ。

現代ではよく居合抜きや時代劇のパロディにされるような、本人が武器を抜いた様子も無いのに次の瞬間にバタバタと周りが倒れるような演出、

これも発明は白土三平なのだろうか。

井上靖の「しろばんば」を読んだ

本編と続編が一冊になっている結構分厚いやつ

若い頃にも読んだことがあるが、そのころは思わなかったがとても面白かった

よくこういう作品が子供向けに推奨されていることがあるが、はっきり言って子供が読んで面白さがわかるものではないと思う。

もっとも、元は「主婦の友」という雑誌に連載されていたそうだから、大人向けなのだろう。

若い頃に読んだが内容はほとんど覚えていないことから、そのころは自分にとって印象に残るものでは無かったのだろう。

小学生か中学生のころ国語の教科書に、鳥の罠のエピソードの部分が載っていって、それは覚えている。

こういう子供のころだれにでもありそうな出来事が次々と起こり、いろんな登場人物とのかかわりや、その時の自分の思いが描かれ成長していく様子が表現されているのは本当にすごい。

例えるならアニメのアルプスの少女ハイジ赤毛のアンのようだ。

名作文学を名作文学をもとにしたアニメに例えるのもおかしいが、それほど退屈させない。

高畑・宮崎アニメのように隅から隅まで作者の思想が行き届き洗練されている感じがする。

カムイ伝の単行本を持っていて何度も読んでいても、カムイ伝が掲載されているガロを買う価値はある

なぜなら単行本に掲載されていない、扉絵や登場人物紹介ページがあるから。

なぜこれほど何度も単行本が出版されたのに、皆扉絵を省いてしまったのだろうか。

いつか扉絵と登場人物紹介ページも掲載した完全版の単行本が出ることを期待する。

 

私が好きな、笹一角と堂面六左が出合い、一角が親指を切断される回、

冒頭で侍が「なに、カズノコ天井だと?」と雑談をしてるシーンがあるが

ガロでは「カズノコ天丼」と誤植されているw

カズノコ天井なんて下ネタ用語、写植のバイトが女性だったら知らんわな

白土三平の風の石丸という作品を読んだ

1960年の作品だそうで、あまり初期の作品に興味はなかったんだけど

読んでみると複数のキャラクターがそれぞれ対立してバトルロイヤル状態で戦うのがすごく斬新でスピード感がある

何度か書いてるように白土作品は作画だけでなくストーリーも複数のスタッフがいて

けっこうつまらないものも多いんだけど、これは忍者武芸帖やカムイ伝に続く正統な白土作品という感じがする

ところどころに出てくる植物や自然現象の知識やそれを生かした忍術などいかにも白土作品という感じ。

1960年と言えば、忍者武芸帖は1959年から1962年だからその途中で描かれたことになる。

忍者武芸帖の中盤で、あまり本編とは関係のない影一族の話になって、長々と影一族の紹介をした割りにその後大した活躍もしないというちょっと退屈で不自然な展開があるが

その時期に白土が忍者武芸帖を離れて石丸の方をやっていたからというのは考えすぎだろうか。

 

鈴木寿雄という自分が好きな絵の画家を発見した

この本はページ数は少ないが素晴らしかった

検索するとかなり古い時代の人らしくて、この本以外の絵はかなり自分の好みとは違う感じだった

おおば比呂司にも似てるんだけど、こういう絵の始祖かもしれない

ちなみにこの本の巻末のプロフィールに、日本画家で兄の鈴木朱雀がベルリンオリンピック絵画部門で賞を取ったと書いてあるが

これが藤田嗣治ととも受章したと書いてある。

さすがに洋画家で有名な藤田嗣治は時代が違うんじゃないかと検索してみたが、おそらく藤田隆治という別の人の誤字だろう

美術館発行の本なのになw