四方田犬彦の「白土三平論」の巻末で、資料の提供と証言をもらった人への礼が書かれており、

 

その名の中に香田明子、小山春夫、佐々木守とある。

香田明子という人は知らなかったが、調べてみるとガロの編集長であった長井勝一の奥さんらしい。

小山春夫は白土作品の多くの作画を手掛けた重要なスタッフの一人である。

そして、佐々木守という人は昭和のテレビドラマ、漫画、特撮ヒーロー者の脚本で超有名な人で、何かについて調べていると、ありとあらゆるジャンルで脚本家としてこの人の名が出てくるくらい、膨大な脚本を手掛けてる人。

私は以前からこの人が白土三平ともかかわりがあるだろうと思っていた。

というのもカムイ伝連載時のガロに日本忍法伝という小説を連載しているし、その挿絵は白土三平の妹の岡本颯子だからである。

また、小島剛夕カムイ伝から離れたと思われる頃から、佐々木守との作品を多数発表している。

以前書いた、どさん娘ラーメンの看板の元ネタ「シャクシャイン」という作品も上記の小山春夫と佐々木守の作品である。

カムイ伝は元はその名が示すようにアイヌの世界へと話が広がる予定だったという説もあり、白土三平朝鮮人とのかかわりは深いが、私の知る限りアイヌについて言及したことは無く、そこもアイヌについての作品が多い佐々木守の存在を匂わせる

そうはいっても白土作品のスタッフとして佐々木守の名が出てることは無いし、私以外にそんなことを書いてる人もいない。

そもそもネットで白土三平=赤目プロは作画だけでなく脚本家が複数存在しているというのを言ってるのも私くらいだ。

白土三平は私のような人間には想像もできないほどすごい人なのは確かだが、カムイ伝は他の白土作品より突出したスケールの大きさとエンターテイメント性、

脚本や演出の完成度の高さから、とても他の白土作品と同じ人が脚本を書いてるとは思えないし

カムイ伝以外の白土作品の多彩さからしても脚本家が複数いるのは間違いないと思っている。

おそらく佐々木守は白土作品の脚本家の一人であったろう。