家の前の公園を、近所の老夫婦が毎日、早朝に掃除をしていた。
私が気付いたのは何年か前だが、それ以前からずっとやっていたのだろう。
朝5時に始めるらしく、冬は当然真っ暗で、雪がちらつくような寒い日でも、誰も見ていない中で二人で掃除をしていた。
ゴミを拾ったり、履き掃除をしたり、砂場の砂を慣らしたり、二人で分担してやっているようだった。
誰も褒めてくれないだろうに、純粋なボランティア精神だと私は感心していた。
会ったこともないし顔も知らないが、その人の家の表札から苗字は「金〇」さんだと知っていた。
先日、回覧板に「金〇」さんが亡くなったと書かれていた。
その人かどうかはわからないが、最近は奥さんが一人でやっている。
何十年二人でやっていたのだろうか。一人でもやろうと思ったときはどんな気持ちだったのだろうか。
今の時期はもう5時は真っ暗で、落ち葉を集める音だけが私の部屋に聞こえてくる。