寺沢武一のゴクウを読んだ。なかなかおもしろかった。

主人公のゴクウは左目にコンピュータにアクセスするための端末が埋め込まれていて

左目で見たものをすぐコンピュータで分析できて、世界中のコンピュータに侵入して建物のセキュリティを解除したり、機械を操作することもできる。

今でいうARゴーグルに近い。

今はやりのAIチャットや、私のおすすめの映画であるエクスマキナのアンドロイドのAIもインターネットの検索結果を収集して物事を判断するしくみだ。

この作品を語るときに必ず言われることではあるが、この作品が描かれたまだインターネットすら普及していない1987年に作者はどうやって思いついたのだろうか。

ターミネータのようなロボットが、見たものをコンピュータで分析するような描写は大昔からあったろうが、

ゴクウの場合、ゴクウの目に埋め込まれているのは「端末」であり、サーバであるコンピュータにアクセスすることで、世界中のコンピュータのデータを収集できるというのは、現代のクラウドコンピューティングのようなものだ。

何年か前に読んだときはあまりこの設定の良さが分からなかったが、今読むとすんなり受け入れられる。

ターミネーターロボコップだって自分に埋め込まれたコンピュータの能力を超えることはできないと思うが、

ゴクウは「端末」により世界中のコンピュータとつながることで、無限大の活用法が考えられる。

これは私たちがインターネットや検索が普及した2000年ごろにおそらく誰もが感じたことであり、

寺沢武一は世間より10年以上も先にそれを感じ取っていたわけだ。

ゴクウのキャラは三枚目要素を除いたコブラのような感じかな。

特殊能力を持つ前からなぜか超人並みに強く、その理由が明かされないというのもコブラと共通している。

でもやっぱりコブラのほうが面白い。

 

アニメにもなってるらしい。監督はあの川尻善昭

動画サイトでちらっと見た感じでは川尻善昭の超名作である「幼獣都市」のようなアダルトな雰囲気が描かれている。

そのうち見てみようかな。

 

同じく寺沢武一のTAKERUも少し読んだが私はあまり主人公が好きになれずに途中でやめてしまった。

主人公のTAKERUは人の顔を舐めて味を確かめる習性があるらしく、ちょっと気持ち悪いw

悪人の顔を舐めて「こいつは三途の川の味がするぜ」というシーンがあるが

これは明らかにジョジョの有名なブチャラティの顔舐めシーン「この味は噓をついてる味だぜ」の元ネタだろう

荒木飛呂彦寺沢武一のファンだそうだし。ジョジョファンはこの元ネタを知っているのかな。

私は今まで知らなかった。