魔夜峰夫の「翔んで埼玉」で、忍者のように屋根裏に潜んでいた主人公が、
家の主人に「曲者!」と天井越しに槍で突かれけがをするが、とっさに槍についた血をぬぐい取り、存在を隠す描写がある
これはまるで白土三平の忍者漫画のパロディのようだが、私の知る限り白土三平の作品にこんなシーンは無い
実はこれは学研のひみつシリーズ「忍術・手品のひみつ」
の中に同じ描写がある
おそらくこれのパロディだろう
私は小学生のころ図書室でこれを読んで、なんとなく白土三平が元ネタだろうと思っていたが
大人になり白土三平マニアになって、こんなシーンは白土作品には見当たらないことに気づいた
ではこの「忍術・手品のひみつ」の漫画を描いた人のオリジナルなのだろうか
自分が怪我をしたのにとっさに血をぬぐって隠れるなんてアイデアはそう思いつくものではないと思うし、
忍者の世界がそれほど過酷なものであるというのは、まんがでは白土作品特有のものだ
なにせ忍者と手品が一緒に本になってるような時代に、どこからこの発想が来たのだろうか
ひょっとしたら小島剛夕の作品にあるのかもしれない
ちなみにこういった過酷な忍者の世界を最初にまんがで書いたのは小島剛夕だろうと思う