インターネットが一般に普及してだいぶたちますが、いまだに掲示板などにURLを貼るのにh抜きをしてる人を見かけますね。
「http:〜」を「ttp:〜」と書く人のことです。
何年か前にも書いたことがありますが、昔はなぜ一部の人たちがそういうことをやっていたのかというと、
あれは2ちゃんねるなどで、誰かの個人のサイトを紹介するときに、2ちゃんねるからリンクされてることを
そのサイトの管理者にわからないようにするためにそうしてたのです。
自分のサイトやblogを持ってる人はわかるでしょうが、インターネットではリファラーといって、
自分のサイトに来た人がどこから来たのかわかるようになってます。
これはその人がどこかに貼ってあったURLをクリックしたときに発生する情報なので、
hを抜くことでURLのクリックでは飛べないよう、URLをコピペか手打ちしないといけないようにすることで
リファラーを発生させないようにして、どこから来たのか、どこにURLが貼ってあるのかわからないようにするためにそうしてたのです。


ではなんでそんなにしてまで、どこから来たのがわかるとまずいのかという話ですが。
昔は2chというのは非常にマナーの悪い乱暴な人たちが多かったんですね。
まだ個人のサイトというのは少ない時代ですから、どこのだれかが個人のサイトをつくってて、2チャンネルなんかに紹介されて
ちょっと内容が生意気だとか、気に入らないことがあると、わーっと2chねらーがおしよせて、
掲示板なんか何ページにもわたってモナーギコ猫のような2chキャラや、カツオと波平がSEXしてるような下品で巨大なAAが、
狂ったように毎日毎日貼り続けられ、ついにはサイトを閉鎖するしかない、という時代だったのです。
なんであの頃はみなああだったんでしょうね。私も加担こそしなかったが止めようともひどいとも思わなかった。
ネットってそういうもんだと思ってたんですね。
なにしろインターネットは今のように誰でもできる「みんな物」ではなく、「パソコンオタク」の物でしたから。


それでリンクを禁止してるサイトが多かったのです。うちのサイトは他で勝手に紹介しないでくれってことです。
そういうリンクを禁止してるサイトをこっそり2chなんかに紹介したい場合にhを抜いてリファラーが出ないようにしていたのです。
そしてのうち、そういった意味もわからず、hを抜くのがマナーだと思ってやってるひとが増えていくのですが、
実はマナーでも何でもなく、むしろそのURLのサイトの管理者に対しては失礼なことだったのです。


今どき、リンクを禁止してるサイトもないでしょうし、h抜いたところで検索すればすぐわかってしまうので意味がないのです。
youtubeWikipediaのURL貼るのにも、頑なにh抜いてる人を見かけますが、
あんな昔のことを、マナーだと信じ込んだままを愚直に守ってる人を見ると、あのころの荒れていたネットの傷跡を残してる人を見るようで、
切ないような不思議な気分になりますね。