大家さんのパソコンから自分の履歴のようなXLSファイルが出てきたので見てみると

大家さんは若いころから親の借金でずっと苦労していたようで、自分の店が儲かるようになって返済したようだが、

詳細は分からないが親の代から任せていた地元の会計事務所にいいように利用され借金が膨らんでいったようだ

また、父親が亡くなったときに会計事務所が無断で母親を相続人にしたせいで、自分は借金返済のために不眠不休で働いても給料しかもらえず、アパートの家賃も入ってこないなどと書いてある

このお母さんは私がこのアパートに来た頃はいたので知っている

ニコニコしたかわいいおばあちゃんで、よく駐車場などに一人で寂しく椅子に座っていたのでなるべく話しかけるようにしていたが、

私が話していても大家さんは遠めに見てるだけで話に入ってくることはなかったので、仲はうまくいっていないのだろうとは思っていたが、これを読むと宗教にはまったり、無駄な浪費が激しかったそうだ

借金のせいかわからないが、家族と喧嘩が絶えないと書いてある

 

大家さんには兄がいたが、精神病で亡くなったと書いてある

私が何かで兄弟の話をしたときに「兄弟は死にました」と言っていた

何か含みのある言い方だったので、私は絶縁か何かしたのを死んだかのように言ってるのかと思ってそれ以上聞かなかったが、本当に亡くなっていたようだ

 

お姉さんはピアノの先生だったそうだが、やはり精神病を発症し、その介護について、一番多く書かかれている

これを読むと私が今住んでいる部屋にお姉さんがいたようだ

私の部屋は入る前から掃除はされてはいたが、過去にひどく汚れていたような跡があった

私は家賃を安くしてもらってるのでクリーニングはしなくていいと頼んでそうしたが

床はカビが生えていたかのように黒ずんでいる、窓の木枠が傷んでいる、トイレが異臭がする

これらはすべて、精神病で水道の水を出しっぱなしにしていたとか、台風で大雨が降っても窓を開けたまだとか、掃除を全くしなくて異臭がひどいとか書かれていることに一致する、

私が住む2,3年前までここにいたようだが、今も近所のどこかにすんでいるそうだ

大家さんの葬式の時は来ていたと、隣のおしゃべり爺さんは言っていた

 

これが書かれたのは2018年と書かれている

別のファイルに母親がなくなったのが2018年とあるから

母親が亡くなった時に何かを思ってこれを書いたのだろう

母親が亡くなって財産がやっと自分のものになり、お姉さんも入院して手がかからなくなって、やっと自分の時間が持てるようになったのに

ほんの数年で死んでしまうとは何て人生とは残酷なのだろうか

そんな苦労を全く感じさせない穏やかで誰にでも親切な人だった

つけっぱなしだった電話機には大家さんを頼るお客さんのメッセージがたくさん入っていた