山椒のこと書いてて思い出したけど、小さいころは近所でアゲハチョウの幼虫を育てるのがプチブームだった。
家族ぐるみでアゲハチョウを育てて、餌となるサンショウやミカンの葉をとってきて
サナギの季節には家で放し飼いにし、家具のいたるところにサナギがなっているという家庭が結構いた。
私は4,5歳のころだから別におかしいと思わなかったが、そんなことを町中皆がやっているというのも今考えると信じられないはなし。
誰かよほど虫好きな家族が流行らせたのだろう。
私もやっていたはずだが、めんどくさがりなのと家族の協力が得られなかったのでサナギにまで育てられることは無かったように思う。
子供のころ覚えたことというのはよく覚えてるもので、アゲハチョウの幼虫はサンショウにつくものとミカンの葉につくものとがいる。
子供のころこれが不思議だった。サンショウとミカンなんて形も香りも全く違うものなのに。
なぜ全然違うものにわかれるのだろうと思っていた。


大人になって山椒や花椒が好きになって、山椒がミカンの仲間であることを知った。
山椒なんて子供のころは苦くて辛いだけのものだったが、確かに柑橘系の味がする。
七味には「陳皮」といってミカンの皮を乾燥させたものが入っているが、これが山椒を補助するような役割を担っている。
そうだったのだ。ミカンとサンショウは同種であり味も香りもよく似てるのだ。
昔の日本人はミカンの皮が山椒と同じように薬味になることを知っていたんだな。
アゲハチョウもミカンとサンショウが同じ香りと栄養を持ってることを知っていたのだろう。
子供のころ思ってたことと、今思ってることがシンクロした瞬間だった。