病院食はよく言われるように味が薄く量が少ないという部分もあったが、
私の場合、ベッドの上で何もせず食事を待ってるだけのような生活に空しさを感じていたので、
そんな時に豪勢なものを腹いっぱい食ったらそれこそ余計空しくなったろう。
適度に量が少なくあっさりした味付けで、さっと食べてしまえる食事は私にはちょうどよかった。
足りなければ売店に弁当もお握りも売ってるし軽食ができる喫茶店もある。
ご飯とみそ汁と焼き魚と茹で野菜みたいなメニューが多かった。カレーやうどんが出た時もあった。


部屋にはインターネット環境がなかった。図書室にインターネットができるパソコンがあるというので行ってみたが
ネットの使用は病気や薬など調べごとに限定されており、掲示板や動画などの閲覧は規制されているらしかった。


私の部屋は4人部屋だったが、周りの人の咳や寝言やいびきがうるさく、夜はあまり寝られなかった。
入院した初日、私が持っていっていた時計が普段使わないものだったため、夜中にアラームが鳴ってしまった。
周りに悪いことをしたと思って、翌朝、全員に謝って回った。
それが初日だったから気づかなかったのだが、他の人もアラームやらケータイやら平気でいつも音を鳴らしていた。
ヘッドホンをせずにスマホで動画を見てるやつもいる。あんな丁寧に謝るんじゃなかった。
引き出しに菓子を入れてるのか何度も何度もガターンと取り出してガサガサボリボリ下品に音をたてて食べている。
そんなに四六時中食うならいちいちしまわず出しとけよと思う。
カーテン越しに他人が寝てるというのに、病気で苦しんでるかもしれないのに、なぜ皆あんなに無神経に音を立てられるのだろう。
周りの三人全員がそういう人たちだった。
因果応報というのか、そういう人たちだから病気やケガの苦しみを与えられてるのかもしれないと思わずにいられなかった