「STAND BY ME ドラえもん」見てみましたが
CGがものすごいですね。ここまでできるのか〜てかんじ。
もはや時代遅れな私にはどうやってこのクオリティでアニメーションのレンダリングができるのか見当もつかない。
何年か前までのようなアンビエントオクルージョンでどこも均一な環境光みたいなのではなく、
隅々まできちんとレンダリングされていて、背景の小物なんかもすべてレンダリングされてますね。
あとあれなんていうんだっけ、いったんレンダリングしたものをテクスチャとして利用して
本番レンダリングの手間を省く方法。ゲームなんかではまだそうしてると思いますが、そういう不自然な部分もなかったです。
小物の質感のこだわりにも妥協がない。床に置いてあるランドセルとかおもちゃもまったくごまかしがなく
一つ一つ質感にこだわってある。タイムマシンのようなメカニックの表現も現代風にアレンジされててかっこいい。
アラ探ししようとして見つからない。まさに非の打ち所がないってかんじ。
その点、映画としてはひどい出来ですね。ストーリも演出もこんなの映画とは言えないと思う。
長いデモ映像とでもいうか、よくある昔のアニメや漫画をパロッったテレビCMとおなじですよ。ルパンとかハイジとか出てくるような。
そもそものび太のキャラ違うし、のび太は「しずかちゃんが好き好きだーい好き!」なんて言わないでしょ。
あんな素直に泣いたり怒ったり喜んだりしない。もっとピントがずれたところに一生懸命になるのがのび太の面白さだと思うんだけど。
ドラえもんや藤子F作品への愛情が感じられない。
あれだけのCGを作る技術を持ちながら、映像で見せるということが全くできてない。
すべてのび太ドラえもんがベラベラとしゃべって騒いで、普遍的なストーリーをなぞっていく。
見る価値無いので途中から飛ばしながらCGだけ見ました。
調べてみるとこの監督はゲームとかCMとか作ってる人なんですよね。たしかにそんなかんじ。
映画というのは映像と音楽と、カメラワークや構図や演出のタイミングなどでその状況や心境を表すことができるわけじゃないですか。
悲しいからと言ってそのたびに涙を流して声をあげて泣くシーンをいちいち見せる必要はないとおもうんですよ。
そんなの見てる人は感情移入しないでしょ。変な顔させれば子供は笑うかもしれませんがそれは幼稚すぎる。
私は映画ってほとんど見ないし作ったこともないですが、そこが製作者の腕の見せ所であったり個性だったりするんだと思ってます。
たとえばランボーが恋人の復讐を誓って静かに鉢巻きを締めるシーンでは、セリフは無くてもランボーの怒りが伝わってくるでしょ。
盛り上げる映像とBGMで見てる人はこれからの展開を期待して見入ってしまうのです。
あのシーンで「俺はあいつらを絶対殺してやるぜ!うおお」なんてセリフだったらどうでしょう?しらけてしまうじゃないですか。
いまの日本のアニメとか映画ってみんなこれなんです。だから私は今の映画やアニメやTVドラマを見ないんです。
映画やアニメというのが分担作業で監督は後から探してきて選ばれたみたいなシステムだから仕方ないのかなと思いますが。
ほんとにこんなのを作りたくて映画監督になったのかと不思議に思いますね。
あと私はいまどきの声優の演技が全く受け付けない。何かのアニメも物まねをしてるようにしか聞こえない。
わざとらしい抑揚をつけて、感情的なシーンの演技では息継ぎの「ひいっ」というのをいちいち入れる。
ああいうのは声優の専門学校か何かでそう教えてるんでしょうかね。