SSSについての解釈にばらつきがあるようなので書いてみますが。

半透明なものって身の回りにもたくさんありますね。
というか正確に言うと世の中全てのものは半透明であるともいえますが、まあそれは置いといて、
一般に半透明といって思いつくものは、まず
ワインのような色の付いた液体とか、ビール瓶やサングラスのような色ガラスがありますね。
では、これらを薄〜く引き延ばしたものを想像してください。
そうするとどれも半透明ではなく無色透明になると思いませんか。
薄いと透明度は高く色は薄く、厚くなるほど透明度が低くなって色が濃くなることが想像できますよね。
「色が濃くなる」ことによって「透明度が下がる」というのがミソです。
これは材質の持つ色の成分が通過するはずの光を吸収してるために透明度が下がっているということです。
では、もうひとつ身近なもので、
透明なビニール袋を想像してください。
これも同じく薄い状態ではほぼ無色透明ですね。
これを厚くしたものや、たくさん重ねたものを想像してみてください。
ワインや色ガラスの例とは逆に色は白くなっていきますよね。
「色が白くなる」ことによって「透明度が下がる」わけですね。
牛乳とか石鹸とかロウとかの半透明はこっちです。
内部で光が複雑に拡散することで透明度が下がり、拡散した光が人間の目に白く見えるわけですね。
ビールの泡や、練った水飴や、雪や氷が白いもこれですね。
要するに半透明というのは大きく分けて
「光を内部で吸収していく半透明」
「光を内部で拡散させていく半透明」
の2つがあるというのがわかると思います。
3DCGのレンダラーで言うSSSってのは後者の「拡散」による半透明を表現してくれる機能のことです。
前者の「吸収」のほうはソフトによっては「距離による減衰」とか「減衰色」「減衰距離」とかいうもので
吸収された光は吸収された時点でCGではそれ以上計算しなくていい訳で、比較的高速であることが多いです。
SSSは無限に拡散していく光の計算をしないといけないので、計算は複雑になり時間がかかります。
ネットの意見を見てるとまったく別の機能のように論じてる人がいますが、(まあソフトがそうなってるんでしょうが)
少なくともCGのレンダラーで半透明をなるべく現実と同じ計算させたいと思うなら
「吸収」と「拡散」は常にセットで考えないといけないし、ソフトもそう作られてないといけないです。