「SSSがあれば障子やカーテンがリアルにできる」という意見をよく見かけるので

SSSと荒い透明(glossy transparent)の違いを図にしてみた

上手でしょ。大雑把に言うとこんな感じですよね。
Shadeなどにもある荒い透明(透明&荒さ)というのは、表面と裏面の2回だけ荒さの計算(分散)をするのに対して
SSSは内部でも分散を繰り返すわけです。厚みがあるほど分散回数も増えて、計算も複雑になります。
要するにSSSと荒い透明では、どっちも半透明の表現をするものであっても
やってることも結果もまったく違いますよね
現実に身の回りの半透明のものを想像すると、ほとんどがSSSのほうですね。
荒い透明なのは窓やグラスに使われるすりガラスくらいでしょう。すりガラスって半透明なのは表面だけですからね。
障子やカーテンなどもほんとはSSSですよね。
ですが、上の図で障子やカーテンなどの薄いものを想像してもらうとわかりますが、
内部で分散を繰り返す距離が無ければ、結局荒い透明と結果はほとんど同じなんですね。
もちろん、薄いとはいえ非常に浅い角度で進入or分散する光には距離があることになりますが
それは非常に少なく弱い光なので、違いがわからないレベルだと思います。
また、カーテンや障子は厚みが均一なので、薄いところと厚いところを描き分けてもらう必要も無い。
そういう意味で、カーテンや障子にSSSを使うのは無駄なんです。もちろんSSSが早いレンダラーならやってもいいでしょうが。
ただ、早いレンダラーというのは分散をある程度端折ってやってるでしょうから、
そのSSSがもってる精度より薄いものだとこれも不正になる可能性があります。
障子とかカーテンとか、そういうのはSSSは向いていないって話です。荒い透明のほうが現実に近い結果になるはず。
かといって、Shadeの現在の荒い透明のような機能で、なんの工夫もなしに障子やカーテンができるってわけでもありませんが
SSSを要望するよりも、荒い透明でやろうとすると何の要素が足りないのかってことを理解して要望する必要があると思いますね。
現在のShadeレンダラーではSSSが搭載されたところで、透明が距離情報を持ってないので正確な半透明はできないです。
たぶん例のShadeの「面の裏表問題」によって距離情報が取得できない仕様のためにSSSが付かないんじゃないかと私は思ってます。