最近2chなどのShadeの話題で
「Shadeのレンダラーは画質はMaxwellにも劣らない」
的な事を書いてる豪気な人を見かけますが(最近また見かけなくなって残念)
レンダラーの設定も理解しておらず、品質を見極める目も無く、他人の評判だけで悪く言う人も多い中、
そういう人は立派だと思う。ネタで言ってる部分あるのかもしれないが
もっと前にも
Maxwellがすごいって言うならでお前が作ったの見せてみろよ。俺がShadeでそれ以上の作って見せるから」
みたいな事も書いてたし。それなりの自信があるんだろう。カコイイ。
私はそこまでの自信は無いな。
誰だろう。私が知ってるShadeユーザーでああいうキャラはいないな。
ぜひああいう人にShadeのコミュニティを盛り上げてほしい。


ここでいうShadeのレンダラーと言うのはパストレーシングのことだと思いますが
いまどきのフィジカルベースなレンダラーはただのパストレではなく双方向パストレとかMLTとかいう方式が主流です。
MaxwellやFryrenderがMLT&双方向パストレなのかどうかは公表されてないようですがindigoはそうです。
他のもそれに似たものでしょう。
パストレというのは何をしてるかと言うと
レンダリングする画像の1ピクセルごとに何度も何度もちょっとづつ係数を変えて計算して、
(ちょっとづつ係数を変えるってのは、ちょっとづつカメラの角度を変えると考えてもいいと思います)
それで得られたたくさん答えを平均してそのピクセルの色を割り出すわけですね。
それを指定した画像サイズのピクセル分やるわけですから膨大な計算量なので時間がかかります。
ですが計算回数を増やすほどごまかしの無い正確な画像が得られるってわけです。これがパストレ。
この方式はIBLのような光源が広い面積のシーンだといいんですが、電球のような小さい光源の場合を想像してみましょう。
ちょっとづつカメラの角度を変えて計算してもほとんどが光源に当たらないですよね。ハズレばっかりなのです。
アタリを増やすには計算回数を増やすしかないんですが、それってその分ハズレも増えるわけですから
無駄な計算が増えるばっかりです。効率悪すぎる。
双方向パストレってのはその名のとおりカメラ側からだけではなく、光源側からも計算するわけです。
あみだくじで言えば、パストレがすべての線をしらみつぶしにアタリを探していくのに対して
双方向パストレはあみだくじのアタリ側からも調べていけるってわけです。パストレは絶対不利ですよね。
要するに、残念ながらパストレ(Shade)が双方向パストレにかなうわけが無いってわけです。
IBLのようなシーンであれば、これもあみだくじで言えば、ハズレくじ無しのアタリばっかりなあみだくじなわけで
どっちから調べようが効率はあまり変わらないでしょう。
IBLのような光源が大きいシーンならShadeのパストレでも双方向パストレの新しいレンダラーに
劣らない品質のものが作れる、とまあ言えなくも無いです。
MLTってのは私もよく理解できてないです。


ただ、それらを除いてもShadeのパストレはアンチエイリアスとか荒い反射の品質で、
Maxwellのような高度なレンダラーにかなわない部分がたくさんあると思いますね。
通常レイトレだと昔からのShadeらしいシャープな画像になるんですが、パストレだと細部が潰れますよね。
要するに今の時点でShadeのパストレがMaxwellやindigoに敵うとはまったく思わないです。
まあ、ネットでレンダラーの話題見てると、
フィジカルベースなレンダラーと速度重視のレンダラーの品質の違いもわからなかったり、
物の裏側や光源から離れた部分(本来暗くならないといけない部分)まで光が届いてるからGIが正確だとかおかし考えだったり、
挙句の果てには作る人の腕次第とか言い出したりする人も多いので
そういう目も鍛えられていない、考える頭も持ってない人の目をごまかすくらいのものなら
腕のいい人ならShadeでも作ってしまうだろう。
と、いうくらいなのが今のShadeレンダラーの位置だと思ってます。
イラディアンスキャッシュを強化してほしいと言う意見も見かけますが
私がShadeレンダラーのスタッフに研究してほしいのは双方向パストレとMLTです。
(してくれてると信じてますがどうなんでしょう)