専門の知識のある人が見てると突っ込まれそうですが
犯罪の報道をみて「こんなやつらみんな死刑にすれば良いのに」とか
「重罪なのはわかってるのになぜすぐ死刑にしないんだろう」とかいう人が多いですね。
ネットでも自分の周りでも必ずいる。
なぜだか自分だけが鋭い正論を言ってるかのように自慢げに言う人が多い。
気持ちはわかるけど、みんな思ってることなんだからわざわざ声を大にして言わなくてもいいんじゃないかな。
死刑に反対してる人たちが何故反対するのかというと、
「犯罪者とはいえ殺すのはあまりにもかわいそう」とか
「犯罪者の人権も考慮するべき」とか言ってるわけじゃないんです。
理由はたくさんあって、まず誤審だったらどうするのかってのがありますね。
誤審の可能性があるなら死刑にしなければ良いじゃないかと思うかもしれませんが
たとえば暴力団など組織的な計画的な犯行で、あらかじめ部下の1人の私怨による犯行だと仕組まれてるなんてこともありえますよね。
他の理由はちょっとキリスト教が絡んでるんでしょうが、たとえ死刑に当たる犯罪者だとしても死刑を執行するのは人間なわけで
そういう権利が人間にあるのかってことですね。
他には日本の刑というのは犯罪者に罰を与えることよりも更正させることを第一目的としてるからってのもあるようです。
あと私はこれが一番重要だと思うんですけど
重罪を犯した人が皆死刑になるなら、自殺願望のある人や死を覚悟した人が、死ぬ前に好き放題に犯罪を起こしてしまう
という可能性があるからですね。今世間を騒がせてる件がその悪例ですね。
(ただ、これは犯罪者が犯罪を犯した後に自殺するという方法もあるので死刑を廃止したところで抑制にはなりませんが)
私は死刑反対論者でもないし、世間と同じようにそういう更正の見込みの無い犯罪者は死刑で良いと思いますが
自慢げに「死刑にすれば良い」といってる人たちは、そのあたりの問題も、被害者の気持ちさえも考えず
なにか別の価値観で言ってるようで(「死」という言葉を軽くいうのがカッコイイと思ってるのか)不愉快です。